ロシアW杯欧州予選 フランス対オランダに学ぶジルーの正しい使い方?
フランス対オランダのフォーメーションです。
フランスは主力メンバーではヴァラン、パイエがけがで招集が見送られており、デンベレはバルセロナへの移籍で練習ができていないので招集されていません。これらを受けて、左サイドにはモナコのレマル、最近デンベレが入っている右サイドにはコマンが入っています。
オランダはファンペルシーが2015年10月以来の復帰。右サイドバックのテテがけがのため離脱したのとフェルトマンが万全のコンディションでないのを受けて、フォス・メンサーが初招集での代表デビューを飾っています。
ジルーの正しい使い方
昨シーズンのアーセナルでは、もっぱらスーパーサブ扱いだったジルーでしたがスーパーサブでも結果を残したのがジルーでしたね。
今回はフランス対オランダからジルーに焦点を当てて、ジルーの正しい?使い方について書いていきたいと思います。
ジルーの強みと言えば、ご存知の通り、高さ、強さ、そしてポストになれることでしたがこの一戦でもそれは顕著に表れていましたね。
前半のジルーのシュートは0本だったのですが、それ以上にオランダのディフェンダー陣に与えたプレッシャーは大きかったように思えます。
サイドでコマン、レマル、また高い位置をとっていたクルザワあたりがボールを持つたびに特にオランダのセンターバックの二人はジルーをちらちら見ながら対応していました。サイドチェンジの際にもマークの受け渡しが必要であるため、神経を使っていたように映りました。
オランダ代表の守備の仕方が人を見る感じだったので、余計にこの態度が目立ったというのもあると思いますが...
ジルーがいることによって、オランダのセンターバック二人の役割が大きくなるため、サイドのレマルが自由に中に入ったりすることができていました。ここは、レマルのプレースタイルに依存する部分も大きいですが。また、レマルが自由に動くことによって、サイドの縦のスペースが空き、クルザワが非常に高い位置をとることができていました。実際ハーフタイムにおけるレマルの平均ポジションはポグバやグリーズマンとほぼ同じでしたし、クルザワに関してはコマンと同じくらいでした。これだけサイドバックが高い位置をとることができれば攻撃に非常に厚みが出ることは当然でしょう。
これらのことがすべてジルーの存在によるということはできません。カンテがいることでサイドバックの空いたスペースを埋めてくれたり、グリーズマンが流動的に動くことによってオランダのボランチ二人が中に入ってくるレマル、ポグバへの対応をより難しくさせたこともこれらの要因に含まれると思います。
ジルーは確かに点が取れる選手ではありますが、それ以上に僕はこのようにディフェンダーに与える影響の方が大きいと思っています。
アーセナルでの正しい使い方
アーセナルでも今回のフランス代表というか、フランス代表のような使い方をしていくのが良いのではないかと思っています。あくまでも4バック前提の話ですが。
アーセナルには実際エジルやサンチェスが残ることが決まりましたので流動的に動ける選手がそろっています。この二人は総合的に見てもレマルやグリーズマンに劣っているとは僕は思っていません。エジルはグリーズマンに比べると守備しませんが...
アーセナルがフランス代表を真似ろとまではは言いませんが、左サイドバックには、新加入選手のコラシナツがいます。この選手はプレシーズンマッチでも攻撃的な側面を見せてくれました。クルザワ的な役割を期待できるのではないかと思っています。
そして、カンテほどゲームを作ったりすることはできませんがコクランは守備ではサイドバックのカバーなど意外と周りが見えていると思います。コクランは一時期に比べると評価が下がってはいますが守備という点においては非常に有効な選手であると思っています。
ジルーを単にポストという役割で使うのではなく、コクランなどとの兼ね合いによってスペース作ることができる選手として使うことによって自由に動きたいエジル、場合によっては中に入ってくるサンチェス、縦のスペースがうまく使えるコラシナツのような選手にもスペースを与えることができるのではないでしょうか? また、ラムジーの裏への飛び出しもジルーのような選手がいることでもっと効果的なものになっていくと思います。
現在はエジルがボールを持たないと攻撃のスイッチが入らないアーセナルですがジルーを使うことによって多彩な攻撃を見せていってくれたらいいなと思っています。