徒然とサッカー観戦

アーセナルの試合を中心に海外サッカーの試合の感想を個人的視点から書いていきたいと思います。

ロシアW杯欧州予選 スペイン対イタリア イスコを見るかアセンシオを見るか

 

スペイン対イタリアのフォーメーションです。

スペインは純粋なFWを置かない0トップのような形です。

今回の試合はスペインのホームであるサンティアゴ・ベルナベウで行われました。

イタリアはスペインのホームで68年間勝てていません。それだけスペインのホームは難しいのでしょうね。

メンバーはスペインがジエゴコスタがチェルシーで干されているため、ビトーロがけがでいないので、ビジャが三年ぶりに招集されています。

イタリアはビジャと同じくMLSで活躍しているジョビンコを今回も招集外としています。

 

ハイライト

 


Spain vs Italy 3-0 - Goals & Highlights - World Cup Qualifiers 02.09.2017 HD

 

スペインとイタリアの守備の違い

 

チームによって守備の仕方が異なるのは当然のことですがこの一戦では守備の仕方が非常に対照的でした。

スペインは0トップを採用していることもあり前線というかブスケッツ以外がかなり流動的に動き前線から積極的にプレスをかけていくというものでした。前半はイタリアのセンターバックが持った時でさえプレスをかけていく徹底ぶりでした。前半はイタリアの2トップが楔を受けに来たり、サイドに流れるということがなかったため、ボールの取りどころもベラッティやデ・ロッシの体勢が悪いところを狙ったり、サイドバックが出すところがなく前線に蹴ったボールを奪うなどこの守備が非常に効果的に決まっていたと思います。

イタリアは2トップがほとんど守備に参加しないのもでした。スペインの深い位置ではプレスをかけず、中盤にボールが入ってからいくというものでした。結果的に八人しか守備に参加していないので、ボールを持たせるというよりかボールを持たれている状態が長い間続きました。スペインの前線が流動的なこともあり選手を捕まえることが難しくカウンターも狙える状況ではなかったと思います。正直、カウンターを狙えないのにイタリアの自陣になってまで2トップに守備をさせなかった意図が良くわかりませんでした。僕が試合をちゃんと見れていないだけかもしれませんが。前半の早い時間にベラッティがカードをもらってしまったこともより中盤でスペインに自由にやらしてしまったことの一因ではあるでしょう。

 

イスコを見るかアセンシオを見るか

 

イタリアの守備にうまく対応したのがスペインの攻撃でした。1点目はイスコが素晴らしかったということしかできませんが、イスコのフリーキックの前にほぼ同じ位置からセルヒオ・ラモスがねらったシーンがありました。この際、ブッフォンがボールに反応しきれていなかったのを見て同じコースに蹴ったとしたら本当にすごい選手です。

注目はフリーキックをとったシーンです。セルヒオ・ラモスが蹴ったフリーキックをとったシーンではアセンシオが抜けだしていました。このアセンシオの裏への抜け出しがこの先の攻撃でで非常に効果的だったのではないかと思っています。イスコが蹴ったフリーキックをとったシーンに戻ると、センターバックは裏へ抜けるアセンシオを見なければいけない状況でした。しかしながら、イスコはイタリアの中盤二枚の間にするするっと入っていき、それに対応したデ・ロッシとインシーニェの間、スペインから見るとコケの前にはスペースがぽっかり空いています。結果的にイニエスタはアセンシオにパスを出しましたがコケがスペース入っていくのは簡単でバイタルにうまくスペースつくっています。

このバイタルが空くというのは2点目でイスコが点を取るシーンでも同じです。2点目のシーンでもディフェンダー陣は流動的に動いている前線の選手を見なければならず、イタリアのセンターバックと中盤の間にスペースができてしまっています。ここをうまく使ったのがイスコです。シュート自体は簡単なものではありませんがバイタルにスペースが空くことの怖さがよくわかる1点目と2点目でした。

三点目のカウンターのセルヒオ・ラモスのパスも素晴らしかったですが割愛。

 

イタリアにおけるインシーニェという選手の特殊性

 

イタリアにも前半にチャンスがありました。ダルミアンがクロスを上げてベロッティが合わせたシーンです。

このシーンで注目すべきなのはダルミアンにボールがわたるパスです。このシーンではセンターバックからダイレクトでダルミアンにパスが渡っています。ダイレクトでパスが渡ることでプレスに来たイスコを外すことができています。このマークを外すということが非常に重要だったように思います。それによってダルミアンの前にスペースができ、フィニッシュまで持って行けています。

インシーニェは前半のイタリアの選手の中では珍しく中に絞るという動きも見せていました。これは先ほど書いたシーンにも通じることで、ほかのイタリアの選手はほぼポジションを変えていませんでした。そのため、プレスに来た選手を外すには個人で抜くという選択しかありません。しかし、インシーニェは中に絞ることでスピナゾーラの前のスペースを空けることでスペインの守備の陣形に変化をつけさせたり、インシーニェ自身が中盤でボールを受けることでデ・ロッシやベラッティに付いたマークを外すような動きをしていました。実際、インシーニェにはあまりボールは入りませんでしたが。しかし、後半の頭からはカンドレーバが中に絞るようになったり、後半の途中でカンドレーバと交代で入ったベルナルデスキも積極的にボールに絡むために中に絞っていました。前半から変化をつけるためのインシーニェの動きの価値が証明された交代であったように思います。

前線から守備にくるスペインに対して徹底して裏を狙うイタリアの攻撃も悪くなかったように思えますがいかんせんピケとセルヒオ・ラモス対しては単調でしたね。

 

今回の一戦ではスペインはW杯出場に大きく前進しました。本大会ではまたこの大戦が見られることを願っています。