Cl決勝 直前! モハメド・サラーはなぜ点が取れるのか?
今シーズン初め、サラーがローマから移籍してきたとき、リバプール首脳陣でさえも、サラーがここまでの活躍をするとは思わなかったでしょう。
今シーズン、プレミアリーグの最優秀選手賞を受賞に加え、プレミアリーグのシーズン得点記録を32に更新し、まさしくサッカー界のファラオとなったサラーはなぜここまで点が取れるのでしょうか?
Cl決勝を前にサラーが得点をとれる理由2つの観点からを見ていきたいと思います。
ポジショニング
今シーズンのサラーが得点シーンで最も多かったのは裏へ抜けだしでした。
サラーにスピードがあることは言うまでもないことですが、ここでは走り出す直前のポジショニングに注目していきます。
サラーは多くの場合、スペースが多くあるサイドに開いて走りだすのではなく、相手のサイドバックとセンターバックの間から走りだしています。
こうすることで相手ディフェンダーは確実に一回の視線変更を強いられることになります。
つまり、サラーが主戦場とする右サイドを例にとってみると、相手サイドバックはサラーが走り出す前は右にサラーが見えていますが、サラーが裏へ抜けると左にサラーを見なければいけません。相手センターバックにも同じように左から右への視点変更が強いられています。
相手ディフェンダー陣は視点変更するために体を反転させるため、サラーは相手ディフェンダー陣よりワンテンポ早くボールに追いつくことができています。
確かに単純にサラーの足が速く、裏へ抜けれているシーンもありますが、サラーがいとも簡単に裏へ抜けているように見えるのはポジショニングの良さに起因しているのではないかと思っています。
加えて、サラーが逆サイドからのクロスに合わせてゴールをとったシーンが2,3ありましたが、この際はいずれも相手サイドバックの奥からボールに合わせにいっています。
これらのシーンからもわかる通り、サラーはかなり意識的に相手の視界から消えるような動きをしているように思います。
ゴール前でのスペースを見つける能力
【Super Star】モハメド・サラー 2017-18 全ゴール 【Mohamed Salah 】
上のサラーの得点シーンを集めた動画を見て頂ければよく分かると思いますが、スーパーゴールを除き、サラーはインサイドでゴールに流し込むようなシュートを多く打っています。
多くの選手は、キーパーと一対一、またはペナルティーエリアの中でのシュートを打つ際は、インフロントやインステップを使い、強いシュートを打つことの方が多いように思います。
しかしながら、サラーはインサイドでゴールの端にパスするようなコンパクトなシュートが多く、シュートを打った後も体の位置がぶれないようなシュートが多いです。
このようなプレーを実現させているのは他の多くの選手にはないゴール前でのスペースを正確把握する力にあると思っています。
ワトフォード戦にてゴール前での切り替えしから奪った2ゴールに代表されるように、サラーはゴール前で多くの選手が密集しているのにもかかわらず、正確にボールをコントールしゴールに流し込んでいます。
多くのゴールを奪っていることも自信になり、ゴール前で冷静にボールを処理できるのでしょう。
余談 サイドへの開き
サラー以外の選手が得点をとっているシーンでもサラーの動きが活きているシーンがあったので少しだけ書きたいと思います。
リバプールの右サイドバック、アーノルドやゴメスがボールを持った際サラーがあえてサイドに開いているようなシーンが見られました。
相手サイドバックはキーマンであるサラーには必要以上についていくことが多く、相手のサイドバックとセンターバックの間にスペースが生まれてしまいます。
ここにとびこんでいくのがフェルミーノです。もし、フェルミーノとクロスのタイミングが合わなくともフェルミーノが中央のスペースにマネや中盤の選手が飛び込んでゆくというような攻撃が見られました。
得点を量産することで、ボールを持っていないときでも相手ディフェンスラインを動かしてしまうサラーすごいです!